格闘家の武尊が、巨人×広島戦の始球式に登場!「東京ドームのマウンドで 投げられたことが嬉しかった」
第4代K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級王者の武尊(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)選手が、7月16日の巨人対広島戦(東京ドーム)の始球式に登場し、140キロの速球を披露した。
白鳥淳一
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2022/07/17
©︎K-1実行委員会
武尊の出身地で、自身もふるさと大使を務める鳥取県の提供による「とっとりデー」を記念して行われた今回のセレモニー。背番号55に身を纏った武尊は、始球式を終えると、「小さい頃、 野球をやっていたし、 元々ジャイアンツファンでもあったので、 純粋に東京ドームのマウンドに立って、 投げられたことがすごく嬉しかったです。 また、 観客の皆さんの歓声もすごく嬉しかったです。 原監督に声をかけていただき、 熱いお話もしていただきました。 緊張しましたが、 とても楽しかったです」 と、感想を振り返った。
先月の19日には、同じく東京ドームで開催されたTHE MATCH 2022で、RISE世界フェザー級王者・那須川天心との7年越しの対戦を実現させた武尊。「世紀の一戦」と言われた試合には、惜しくも判定で敗れたたものの、さまざまな話題を集めたが、試合の翌週に行われた会見では、満身創痍の中で試合に臨んでいたことが武尊の口から明かされ、多くのファンを驚かせた。
拳の骨折に加えて、膝の前十字靭帯と内側側副靱帯を損傷し、足の腱が切れている中で試合に臨んだという武尊選手。
「細かい損傷度合いについては、推測せざるを得ないものの、膝と足の靭帯が快復する前に試合に臨んでいたのは事実だと思います。もし、腱が切れている場合は手術も視野に入ってくると思いますし、リハビリ的やトレーニング、そして休養が必要だと思います。拳の怪我についても同様で、再起を図るためにも、じっくり治療に専念することが必要になるでしょう」(柔道整復師)と、難しい状況で試合を迎えた点を指摘する。
さらにこの日、武尊選手はうつ病やパニック障害など、精神面での不安を抱えながら、試合に臨んでいたことを明らかにした。
「魔裟斗さんも、現役時代にそのような兆候が見られたとお話しされていましたが、負けられないというプレッシャーや、そして年齢を重ねる中で感じたさまざまな不安などからくるもので、環境を変えて休息をとることが必要。そうしないと、症状が長引く可能性が高かったと思われます」(精神科医)と分析。
突然起こりうる恐怖や不安の影響により、呼吸苦やドキドキ、めまいなどを引き起こす」症状のパニック障害についても、「薬の内服でほとんど治るとは言われているものの、環境の変化とか、価値観を少し変化させないと完治は難しい可能性がある。しっかりと休息をとりながら治療することが、再起を図るために必要ではないか」(精神科医)と、専門家は武尊選手復活の可能性についても言及する。
試合後の記者会見で、「K1代表として、負けてしまったので、ケジメとしてこのベルトは返上させていただき、次の世代に託したいと思う。何もしないと気持ちが落ち込んでしまうので、今後も身体のトレーニングが続けていくので、変わらず応援していただけたら嬉しい。
K-1があったからこそ今の自分がいるので、とても感謝している」と、今後についての思いを語った武尊選手。多くの人々を心配させたものの、その後もSNSにプライベートに関する投稿をするなど、リラックスした日々を過ごしていることを感じさせた。
©︎K-1実行委員会
「ファンの言葉ってとても響くものだと、感じさせられた。皆さんにとても感謝している。最後に自分が勝つ姿を見せて競技人生を終わりたいと思っている。元気な姿で復活したいと思うので、これからも応援をお願いします」と語った武尊選手。
その多岐にわたる活躍を見守りながら、再びリングに上がる日を楽しみに待ちたい。