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パワプロ30周年主題歌「RELAY」製作を振り返る~現役高校生の歌い手・藤原美慶×作詞家・カトウチヒロ 特別対談(2)「力を込めて歌った大谷翔平の言葉」

株式会社コナミデジタルエンタテインメントの人気野球ゲーム「パワフルプロ野球」シリーズの最新作、『パワフルプロ野球2024-2025(以下、パワプロ2024)』が、2024年7月18日に発売された。シリーズ30周年を記念した本作には、過去最多となる400人超のOB選手が登場。南海、近鉄、阪急がオールドチームとして復刻するなど、幅広い世代が楽しめる内容に仕上げられている。※

圖標 fopv vbvqbakadu白鳥淳一 | 2024/10/03

その『パワプロ2024』の主題歌「RELAY」を担当することになったのが、オーディションを勝ち抜いて大役の座を射止めた藤原美慶 (ふじわら びけい)さんだ。現役は徳島県内の学校に通う高校3年生の藤原さんと、「RELAY」の作詞を担当されたカトウチヒロさんに楽曲制作を振り返ってもらった。

――前回の記事ではオーディションに関するエピソードをお伺いしましたが、今回は『RELAY』の楽曲制作についてお伺いしていきたいと思います。

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画像提供/カトウチヒロさん(本人)

カトウ:僕は事前に「女子高生の方に歌ってもらう」と聞いていたので、これまでの主題歌に使われていた楽曲を参考にしながら「RELAY」の歌詞を書きました。「なるべく歌いやすい歌詞にしよう」と思っていましたが、仕上がりを聞くと「難しい曲にしてしまったかな……」という不安もあって。美慶さんは歌った時にどのように感じましたか?


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画像提供/藤原美慶さん(本人)

藤原:ハモリもありましたし、全体的に難しかったですね。あとは短いスケジュールでやることがたくさんあったので、思ったよりも大変でした。2番の歌詞を知ったのはレコーディングの1週間ほど前でしたし……。

カトウ:ギリギリのスケジュールになってしまってすみません(苦笑)。

藤原:いえ、素晴らしい楽曲を歌わせていただいてありがとうございます。私はこの曲を歌っている時、野球部の友人がひたむきに頑張っている姿が思い浮かんできて。「みんなの頑張っている姿を絶対に無駄にしてはいけない」という思いで歌わせていただきました。

カトウ:これまでの主題歌に使われていた楽曲も参考にしながら、美慶さんのまっすぐで力強い歌声に合うような歌詞を作ることを心がけたつもりなんですけど、そんな強い思いで歌ってくださっていたとは……。本当にありがたいです。

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レコーディングに励む藤原美慶さんの様子(画像提供/本人)

藤原:実は歌の中にある「憧れ =(は) 限界だから」という歌詞がとても気に入っていて。大スター・大谷翔平選手の言葉でもあるので、特に心を込めて歌わせていただきました。

カトウ:ありがとうございます。美慶さんだけではなく、たくさんのファンの皆さんにも大谷選手の言葉を入れた僕の思いもしっかり伝わっているみたいで……。作品を通じて、多くの方々と気持ちを共感できたことが本当に嬉しかったです。

藤原:私も「RELAY」という楽曲をきっかけに、もっと野球が好きになった感覚があって。以前よりも「前向きな思いで頑張っている姿を応援しよう」という気持ちは強くなったような気がしています。

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『パワプロ2024』のアンバサダーを務める大谷翔平選手は本作にも登場。ケガの影響により2024年は封印されている「二刀流」もゲームでは再現可能だ(©Konami Digital Entertainment)

――先ほど「憧れ =(は) 限界だから」という歌詞に話題が及びましたが、美慶さんが限界を乗り越えたエピソードがあればぜひ聞かせてください。

藤原:私は小さい頃から歌手になることを夢見ていましたが、その過程ではコンテストで賞を取れずに涙を流したり、思うような結果が残せずに辛い思いをしたこともたくさんありました。

なかなか思い描いた表現が出来ずに気持ちが落ち込んだこともありましたが、そこで歌を諦めるのではなく、両親やボイストレーナーの先生にアドバイスやさまざまなサポートをしていただけた。皆さんの温かい言葉に励まされながら、悔しさや悲しさをグッと堪えてきたからこそ現在の自分があると思いますし、改めて「歌を頑張ってきてよかったな」という気持ちです。

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©Konami Digital Entertainment

――『パワフルプロ野球2024-2025』のオープニングムービーは248万回(9月7日現在)も再生されています。

カトウ:実際に完成した映像を見るとすごく緻密に作り込まれていてとにかく驚かされました。たくさんプロ野球のOB選手が登場する映像を見ていると、色々な名シーンが蘇ってきましたし、Youtubeには熱い思いがこもったたくさんのコメントが寄せられていて。本当に感動して、正直に言うと少し泣きました(笑)。

藤原:多くの方に作品を聞いていただけたことが本当に嬉しいですし、ゲームやMVについてのコメントに混ざって、私の歌声に対しての意見が書かれていることがあって。歌唱力や「特徴的」と言われることが多かった私の歌声を褒めていただけていたのは、歌い手としても本当に嬉しかったです。

――「RELAY」の発表以降、生活や周りの環境に変化はありましたか?

藤原:私はこれまであまりSNSをやっていなくて、そこまで顔も知られていないはずなんですけど、それでも地元の徳島県で過ごしていると「パワプロの曲を歌っている方ですか?」と声をかけられることがあって、反響の大きさに驚いています。

カトウ:僕は生活自体にはあまり変化はありませんが、楽曲を聴いた家族や友人、親戚など、多くの人が喜んでくださって、それがとにかく嬉しかったです。

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