日米で比較してみた!メジャーリーグの魔球を完全再現&検証、日米のキャッチャー技術の違いとは
メジャーリーグで活躍する投手の魔球と全貌や日米のキャッチャー事情に注目。実際の投手のデータを使用して繰り出される変化球の数々や、キャッチャーのフレーミング技術の日米での違いなど紹介していく。※出典/Getty Images
変化球を実際に検証!
メジャーリーグの多くの球団や今や日本の球団でも使用されているアメリカ製最新のピッチングマシン『iSpinnyLtype』。相手チーム投手の回転数・回転軸・球速をタブレットで入力し、対敵ピッチャーとの疑似練習を行うことができる。メジャーリーグのデータを入れて過去の魔球を再現。
まず最初に近年メジャーリーグで最も支配的と言われた、エンゼルス時代の大谷翔平選手が得意とする大きく横に曲がるスイーパー。野球解説者の五十嵐亮太によると「スイーパーというのは、スライダーの沈み幅が少なく球が伸びる、曲がり幅が大きい。簡単に言うが、やはり速いボールを投げる人じゃないとそこまでスピンをかけられないしスピードがでない」とのこと。
続いて、メジャーリーグのサンフランシスコジャイアンツ所属ジョーダン・ヒックス選手の最速160km/hを超える高速シンカーを検証してみた。ピッチングマシンから繰り出される超高速のボールは、速すぎてキャッチャーが取りこぼす程。
そしてアメリカメディアも絶賛するドジャースの山本由伸投手の縦に落ちるカーブ。メジャーでもトップレベルといわれる変化球は、右打者の外角へ逃げつつ腰から一気に落下した。王道の中の最高と言われるカーブボールだ。
最後の検証は、シカゴカブス所属の今永昇太選手が得意とする高めのフォーシーム。メジャー平均を上回る回転数により浮かび上がって見える。ストレートと分かっているキャッチャーも、イメージよりもホップするためかキャッチャーミットは頭上に掲げられた。
日米の違いを比較!キャッチャーに求められるものとは
メジャーリーグでは長らく日本人選手不在のポジションであるキャッチャー。スタジオでは、メジャーリーグに唯一進出したキャッチャーとして元シアトルマリナーズの城島健司の名前が上がった。
自身もキャッチャーとして活躍した里崎智也によると、マリナーズの番記者が選ぶ“歴代捕手ランキング”でマリナーズ史上4位にランクインしているという城島は、今でもしっかりとみんなの記憶に残る選手であったという。
まず大きな違いはフレーミング。「日本のフレーミングは外から内に捕ったら止める、メジャーのフレーミングは捕ってからも動かす」(里崎)。
さらに「日本は、ボールかストライクどっちに捉えられてもおかしくないな、という球をストライクに判定してもらう」「メジャーのフレーミングは、完全ボール球をストライクに判定してもらう。僕の個人的な認識ではありますが」と、個人的な見解であることを前置きしながらも両国の違いを解説した。
日米キャッチャーにはリードの違いもあるようだ。「メジャーはデータを用いて相手の弱点をずっと攻めていく、データを強みにしている分駆け引きとかではなく、良いか悪いかは別として単調な感じではないか」と私見を述べた。日本ではキャッチャーが配球を考えることが多いが、メジャーではピッチャーが主導することが多いようだ。
『ABEMA MLB's ON FLEEK』#15&16「MLBの魔球&日米キャッチャー事情」より
配信日:2024年7月19日(金) 12:00 〜 12:15 毎週金曜に配信
内容:日本人選手の見どころ&独自の情報などMLBをもっと見たくなる情報を週1で発信。
※記事内の情報は放送当時の内容を元に編集して配信しています