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2024シーズンJ1最少失点に貢献した谷晃生、日本代表でもレギュラーなるか
J1初参入にもかかわらず、最後の最後まで優勝争いに絡んだFC町田ゼルビア(以下町田)。特徴的な戦い方が度々話題を集めたが、守護神である谷晃生の奮闘ぶりにも目を見張るものがあった。そんな谷選手にスポットを当て、2024シーズンに披露した数々のスーパーセーブを紹介する。※トップ画像出典/Getty Images
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A代表レギュラー定着に挑む
ガンバ大阪の育成組織からトップ昇格を果たした谷。湘南ベルマーレやベルギー2部のFCVデンデルEHでの武者修行を経験し、2024年からは町田の門番として圧倒的なセービング能力を存分に発揮している。
年代別の日本代表ではアジアカップやワールドカップにも出場。U-19のブラジル遠征ではブラジル代表を完封し、2021年には東京オリンピック代表メンバーとして正GKの座を掴む。しかし、そんな華々しい実績を積み上げるも、A代表デビュー後はなかなかレギュラーに定着できない。
ところが、町田での活躍が認められ、2026FIFAワールドカップ・アジア2次予選メンバーに招集される。約1年ぶりに代表入りを果たし、ここからレギュラー常連を目指して挑んでいく。そんな代表招集のきっかけにもなった町田での活躍をいくつか振り返ってみよう。
堅守で黒田監督のバースデーを祝福
5月26日、埼玉スタジアムでのアウェイ浦和レッズ(以下浦和)戦。0-0でノースコアのまま進んでいた前半37分。浦和伊藤敦樹が放ったボールを右へ大きくジャンプしながら弾いた。敵味方数人の隙間を突き刺すような力強いシュートだったが、谷選手はしっかり捉えていたのだろう。弾いた直後、地面に横たわる姿勢を変えずにボールの行方を確認。その姿からは、絶対に先制を許さないGKの意地が伝わってきた。試合は1-2で町田が勝利している。
また、黒田剛監督の誕生日でもあるこの日、監督は「なんとしても勝利が欲しい」と言って選手たちを送りだしたそうだ。谷選手もいつも以上に意気込んでいたに違いない。試合後にはスタジアムに駆け付けた約2,000人の町田サポーターが、勝利を祝いながらハッピーバースデーの合唱をプレゼントした。
的確な判断でクリーンシート達成
8月17日はホーム町田GIONスタジアムでジュビロ磐田(以下磐田)と対戦。3試合勝てていなかった悪い流れを断ち切るかのように、わずか3日前に加入が発表されたばかりの中山雄太が初スタメンで初ゴール。先制して勢いづいた町田は完全に相手を飲み込んだ。
ところが、前半24分、磐田のセットプレーが町田のゴールを脅かす。磐田平川怜のコーナーキックを松本昌也が頭であわせると、ボールはゴールエリア内に陣取った味方の頭上を越えてゴールマウスへ向かう。谷選手はキャッチし損ねるが、グローブから滑り落ちるボールをしっかり抱え込んで失点を防いだ。
3点リードで折り返した後半、磐田ペースの時間帯もあったが、谷選手をはじめとする最終ラインが守り抜く。さらに藤尾翔太がPKを決めて追加点を獲得し、試合は4-0で大勝。谷選手の的確なセービングでクリーンシートを達成した。
2024シーズンをJ1最少失点でフィニッシュしたことからも、いかに谷選手の活躍が町田を支えてきたのかが伺える。日本代表GKとしてスタメンに定着する日もそう遠くないのかもしれない。
参考:DAZN【Jから代表へ】谷晃生 -J1最多完封 堅守・町田の守護神-」より
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