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【J1第10節】 C大阪が15年間勝利のないホーム鹿島戦に挑む―劇的な展開に最後まで目が離せない

2025年4月12日にヨドゴウ桜スタジアムでセレッソ大阪vs鹿島アントラーズが行われた。前節でサンフレッチェ広島に敗れ、連敗は避けたいC大阪に試練が続く。今節の対戦相手は、ホームで12連敗中の鹿島。2010年以来、白星から遠ざかっている条件で、C大阪は意地を見せられるのか。※トップ画像出典/Pixabay(トップ画像はイメージです)

圖標kinggear圖標KING GEAR編集部 | 2025/05/03

15年間C大阪が勝利を掴めない鹿島のホーム戦

C大阪はここまで今季2勝と苦しい戦いが続いている。攻撃陣は全9試合中8試合で得点を上げる勢いを誇るが、守備陣はここまで全試合失点中。もう一つ安定感が欲しいところだ。相手の鹿島とはホームでの相性がとても悪く、2010年5月5日を最後に15年間も勝利できていない。加えて12連敗中と踏んだり蹴ったりだ。この屈辱的な記録にピリオドを打てるのか、注目が集まる。対する鹿島も雰囲気がいま一つだ。7節終了時点で5勝1敗1分と絶好のスタートを切った今季だが、そこからまさかの2連敗中。前節の京都サンガ戦は、後半30分以降に3失点を許す、悪夢のような負け方を喫した。12連勝中のC大阪ビジター戦なだけに、ここはしっかりと白星をつかみ取りたい。なお、事前のスタメンで名を連ねていたDF小池龍太がアクシデントでベンチ外に。急遽DF津久井佳祐が今季初スタメン出場を果たした。

試合の見どころは後半戦に集中

この試合はすべてが後半に詰まっていた。前半は両チームシュートにつなげるが、得点には至らず0対0で後半に入った。後半51分。決定機をまず作ったのは鹿島だった。左サイドでボールを繋げながら前線を上昇させると、MF松村優太はゴロ性のクロスを選択。FWのレオセアラ、FW鈴木優磨と短いパスをつなげると、逆サイドにいたMF師岡柊生がノーマークになった。そこにFW鈴木がボールを送ると、MF師岡は左足で勢いよくシュート。きれいな放物線を描き、ゴールへ向かう。しかし、数十センチ枠からずれて得点ならず、ゴール前にいた鹿島アタッカー陣6人すべてが文字通り両手を仰いだ。

これで勢いづいたのがC大阪。54分、FWルーカスフェルナンデスが放ったコーナーキックは、一度大きくクリアされるが、FWルーカスフェルナンデスがセカンドボールを再度クロスで上げる。高い放物線を描いたボールはゴール前へ。相手DFとの空中戦を制したのが、FWラファエルハットンだった。ヘディングで押し込むと、そのシュートに相手GKは一歩も反応できなかった。C大阪先制かと思われたシーンだったが、オフサイドに。ゴールが取り消しとなった。

C大阪は何度もゴールネットを揺らすが…

しかし、64分に再びC大阪はチャンスを作り出す。相手陣地左サイドでボールを奪うと、細かいパスをつなぐ。相手守備陣の頭数が揃わないうちにペナルティエリアへ切り込むと、ノーマークでFWルーカスフェルナンデスが突っ込んでくる。そこにドンピシャのタイミングでパスがつながると、あとは押し込むだけだった。シュートはゴールネットを揺らした。が、またしてもオフサイドの判定に。0対0のまま試合は再開する。その2分後、C大阪はフリーキックを獲得する。ゴールまで30メートルほどの位置。FWルーカスフェルナンデスがふんわりとした軌道のクロスを上げると、DF進藤亮佑がヘッドで押し込み、ボールはワンバウンドしてゴールの中へ。三度目の正直で今度こそ先制点を獲得したかに思われたが、長い検証時間を経て三度オフサイドの判定に。これにはC大阪の面々も苦しい表情を浮かべた。

その後も互いにシュートまで持ち込むが得点を決め切れず、7分間のアディショナルタイムへと突入した。さすがに引き分けかと思われた93分だった。C大阪はコーナーキックを獲得。逆サイドにいたMF本間至恩につながると、MF本間はゴール前の高身長、身長183センチのMF田中駿汰の頭上目掛けてクロスを上げる。MF田中は勢いよくジャンプしてヘディングでシュートを放つと、ボールはゴールの中へ。試合終了直前にようやく得点を挙げたかと思われたが、これもオフサイドになった。その後95分にもFWラファエルハットンがシュートを入れたが、オフサイドに。何度もゴールネットを揺らしても得点が入らない。ホーム鹿島戦に魔物がいると、C大阪サポーターが確信しかけた瞬間だった。

オフサイドに次ぐオフサイドに苦しむC大阪

96分にC大阪はペナルティエリアでFWルーカスフェルナンデスが倒され、PKを獲得。ついに先制かと思われたが、FWラファエルハットンのシュートを鹿島GK早川友基がファインセーブ。敵はオフサイドだけではなかった。続く101分、コーナーキックでプレーは再開。ボールは逆サイドのDF進藤亮佑の元へ。DF進藤は右足で合わせる。シュートがゴールネットを揺らした。またオフサイドかとC大阪攻撃陣は喜びを上げない。しかし、今度は笛が鳴らない。6度のオフサイドを乗り越えて、C大阪がついに先制点を挙げた。この1点が決勝点となって試合終了。C大阪が15年ぶりにホーム鹿島戦で白星を挙げ、同条件12連敗をようやく止めた。

DAZN「明治安田J1リーグハイライト C大阪vs鹿島 第10節」(2025年4月12日)より
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