我想傳達籃球的樂趣和該地區的魅力。日本前國家隊渡邊琢磨對比賽促進項目的想法[八丈島籃球場粘著力報告]
在伊豆群島的八島島上,從東京羽田機場直達航班僅需55分鐘,一位“著名射手”曾乘坐五人籃球載著日之丸降落。渡邊琢磨(Takuma Watanabe),長期活躍於“豐田汽車阿爾瓦克(Toyota Motor Alvark)(現為東京阿爾瓦克)”。目前,他已將戰場轉移到三人制籃球“ 3x3”,並以東京都品川區的“ NATUREMADE.EXE”的成員身份參加比賽。另一方面,從事推廣和發展比賽活動的渡邊先生則於6月在籃球診所開始了“新項目”。這次,我們將密切關注活動,並就在八丈島進行的項目提供報告。
佐藤校長
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2019/08/13
そもそも“新プロジェクト”というのは、渡邉さんが以前から考えていた「自分だからこそできるバスケの普及活動をしていきたい」という思いから始まった。
Bリーガーたちも競技普及のために動いてはいるが、Bリーグの規定により、選手たちはクラブのホームタウンを活動拠点としているため、それ以外の地域で活動をすることは難しい。
そんな中、渡邉さんは2月に普及マネージャーとしてフロントに入っていたアルバルク東京を退社し、3×3を含めた様々な活動を全国規模で行っていくことを決意。都内だけでなく、Bリーグのクラブがない地域へも足を運び、バスケの魅力・楽しさを伝えている。
その普及活動の一環として誕生したのが、今回のプロジェクトだ。
NATUREMADE.EXEのスポンサーである、24時間年中無休フィットネスジム「エニタイムフィットネス」が渡邉さんの想いに共感。同ジムが「G2HP」(Get to a healthier place./誰もが健康的に暮らせる、心豊かな社会の実現)という様々なフィットネス、スポーツを通じた活動を行っていることもあり、渡邉さんとバスケ普及の共同プロジェクトを始動した。
はじめは、5月末から6月にかけて奄美大島でバスケットボールクリニックが行われた。そして、プロジェクト第2弾として7月末に開催されたのが、都心からすぐに行ける南国リゾート・八丈島。伊豆七島の中でもっとも南に位置し、南国の花々や風情ある街並みで観光地としても有名な島だ。
飛行機から降りると、空港には現地のアテンドスタッフの方々がすでにスタンバイ。渡邉さんを温かく歓迎し、明るい雰囲気でプロジェクトがスタートした。
この日の午前中は、アテンドスタッフの案内のもと、八丈島を観光することに。
というのも、このプロジェクトではクリニックだけではなく、現地の名所・名産・文化に触れることで、その土地の良さも発信していく、という地域活性化に貢献する目的もある。
また、その土地柄を知ることで、様々な発見があるという。
「その地域の特徴や雰囲気を感じ、現地の方々と触れ合うというのは大事なこと。これからバスケを教える子供たちは、こういう場所で育ち、こういう所で遊んでいるんだな、ということを感じることができますから。加えて、そこの伝統文化とか、知らないことを知ることで、自分に足りないものが見えてきたりするんですよね。新しいものを吸収することは自分の成長にもつながるので、いろんな場所に行き、たくさんのことを学びたいと思っています」
はじめに訪れた八丈富士の「ふれあい牧場」は、あいにくの曇天で、あたり一面が霧模様だったが、次に向かった「南原千畳敷(なんばらせんじょうじき)」では晴天に恵まれ、海沿いの絶景を楽しむことができた渡邉さん。
ここは火山が噴火した際に流れ出た溶岩が海に流れ落ちてできた溶岩台地。浜辺がなく、ゴツゴツしたむき出しの岩が多いのも八丈島の特徴でもある。
日本テレビ系ドラマ「火曜サスペンス劇場」の撮影にも使用された“断崖絶壁”に、渡邉さんは「“火サス”で使われたというのもあって、あの岩を見た時は少し怖い印象がありましたね(笑)」と苦笑い。だが続けて「この地形を見て、南国だけど南国じゃないというか。不思議な感覚がありました。ただ、こういう厳しい自然環境で生まれ育ったからこそ、現地の人には“生きる強さ”みたいなものを感じたんです」と語っていた。
続いて訪れたのは「玉石垣」で囲まれた路地。
昔、八丈島に流された流人たちが、おにぎり1つと引き換えに海岸から玉石を運び、積み上げてできたと伝えられている。
「八丈島といえば玉石垣」とアテンドスタッフが話すほど、八丈島らしさが残る場所の一つなのだ。
渡邉さんもその独特な丸みを帯びた石に触れ、八丈島の歴史・文化を感じている様子だった。
次に向かった先は「黄八丈めゆ工房」。
黄八丈とは、八丈島に伝わる草木染めの絹織物。黄色、鳶、黒、その全てが島の草木から染められており、数百年も昔から変わらず織り続けられている伝統工芸品だ。
黄八丈を代々織り続けている山下家の四代目・山下芙美子さんがデザイン全てを手掛けており、「黄八丈 天蚕(てんさん)糸100%」という作品は、なんと900万円。その価格に渡邉さんも驚きを隠せなかったが、国の伝統的工芸品に認定されているほど、伝統的な技術・技法で製造された価値ある品物なのだ。
黄八丈という伝統文化に触れ、山下さんの“モノづくり”への真摯な姿勢に感銘を受けた渡邉さんは、自身の活動に対する“ある思い”を告白した。
「ずっと何年も同じものを作り続けて、多くの人に認めてもらっている。その信念を決して曲げない姿勢というのは、今後の活動の在り方についても考えさせられました。というのも、このプロジェクトは単発で終わる気はありません。長期間どうやって続けていこうか、というのは常に考えていました。ただ、忘れちゃいけないのは、山下さんのように“強い信念”を持ち続ける姿勢。だから僕も『バスケを含めスポーツの楽しさを伝えたい』という気持ちだけはブラさずにやっていきたいですね」
離島にいる“一人の職人”によって心を動かされた渡邉さん。その決意はきっと、今後の活動を良い方向に導いていくに違いない。
観光を終え、クリニックを行う会場に到着した渡邉さん。初日に教えるのは、小学校低学年〜高学年の子供たち。本番が始まる前から渡邉さんの回りに集まり、体の大きさ、シュートの上手さを見るたび「すげ〜!」と驚きを隠せない様子だった。そのはしゃぎっぷりも、なんだか微笑ましい。
バスケットクリニックを開始し、最初に行ったのはパス練習。
「(パス受ける時に)しっかり手を準備してね!」という渡邉さんのアドバイスを受けた子供たちは、向かい合ったパートナーの動きを見ながら手を前に出し、しっかりとボールを受け止めていた。
ドリブルでも様々な形式で練習が行われた。
片手のドリブルからボール2つを使った両手でのドリブル。時にはバックステップや“股抜き”なども取り入れていた。そんな工夫を凝らしたメニューに対して子供たちは苦戦。それに対し渡邉さんは「ミスしてもいいからね。100%の力でやりましょう」と彼らを鼓舞。その言葉を受けた子供たちは、最後まで諦めることなく一生懸命に練習をやり遂げていった。
そして、特に印象的だったのが“マーカーコーン”を使った2つのメニューだ。
1つ目は「ドリブル鬼ごっこ」。
マーカーコーンを床に置き、その周辺のスペースだけを使って互いにドリブルをしながら鬼ごっこをしていく。片方は逃げ、片方は追いかける。捕まったらその場でドリブルを3回やり、それから攻守交代して鬼ごっこを再開。これを1回24秒間行い、最後に鬼だった方が負けというゲーム形式のメニューだ。
2つ目は、同じくマーカーコーンを使用したディフェンス練習だ。床に置いたマーカーコーンから半径1mの範囲内で、片方は止まりながらディフェンスし、片方は相手のボールを取りにいく。取ったら攻守交代し、鬼ごっこ同様に1回24秒間行う。
これらの練習の意図を問うと、渡邉さんは「普通に練習をするよりも、より試合に近い実践的な形でドリブルやディフェンスをすることができる」と説明。
そう話す通り、限られたスペースと時間の中で練習を行うことで、子供たちの集中力は増し、回数をこなすにつれてドリブル・ディフェンスの技術力が向上している印象を受けた。
終盤には、バスケ経験者のコーチたちも驚く“一風変わった形式のミニゲーム”が行われた。
一般的な試合には体育館の両端に設置されたゴールを使用するが、今回使うのは片面と中央奥にあるゴールの2つ。よって普段より少し狭いコートの中でプレーすることになる。
さらに、お互い「どちらのゴールにシュートしてもいい」というルールを追加。同じゴールに打ち続けてもよし、もう片方のゴール付近にノーマークの味方がいれば、パスして得点を狙うのもよし。コートを自由に使える反面、ちょっとしたプレーで一気に流れが変わる可能性があるため、より考えながら動くことが重要になる。
渡邉さんがクリニックのテーマに掲げている「自分で考える」ことが特に大事になってくるメニューだ。
子供たちは試合をこなすにつれ、ルールを理解していき、片方のゴールにいくと見せかけて逆を攻めるなど、意表をつくプレーが増えていった。
それは、自分自身でしっかり考え、行動に移すことができている証拠だろう。
試合と試合の合間には、チーム内で次戦の戦術を話し合っている子供たちの姿も。それぞれが自分の意見を述べ、次のプレーに活かしていく。この積み重ねが「個人」と「チーム」両方の成長につながっていくのだろう。
プロジェクト2日目は、中高生を対象としたバスケットクリニックが行われた。メニューの構成は初日とほぼ同じだが、練習によっては少し難易度を上げて実施。それでも、さすがは中高生というべきか、はじめは見たことのないメニューに驚きながらもすぐに理解し、やるべきことを一つずつ的確にこなしていった。
ゲーム形式のメニューでも、レベルの高さを発揮。スピード感あふれるドリブル、華麗なテクニックを披露し、次々とシュートを決めていく。渡邉さんが見つめる緊張感ある中でも、子供たちは充実感あふれる表情を見せ、純粋にバスケットを楽しんでいる様子だった。
また、試合中にゴールが決まれば、周りからは「ナイシュー!!」と大きな声と拍手が送られ、練習で苦戦している仲間がいれば「ガンバレ〜!!」と励ましの声が飛んでいたことも印象深い。
男女関係なく同じ仲間として支え合い、目標を一つひとつチーム全体でクリアしていく。バスケットを通じて、参加した子供たちの間には確かな絆が生まれていた。
クリニック後、渡邉さんは子供たちに向けて「同じ練習を行っても、取り組む意識の持ち方によって選手としての伸び率は大きく変わってきます。これからいろんなコーチに出会い、指導を受けると思いますが、言われたことだけをやることが正しいわけではありません。今やるべきことを自分の頭で考え、決断する力は選手だけでなく、人としても大きな成長につながります。どんなことでも自分で考えるクセをつけましょう」とアドバイス。
最後には「もしかしたら、みんなの中にもバスケをあまり好きじゃない人もいるかもしれないけど、それはべつにダメなことじゃない。僕だって小学生の頃は嫌々やっていた時もありましたから。だから無理に好きになろうと焦らなくていいんです。友達とたくさん遊んだり、いろんなスポーツをやってみたりして、『やっぱりバスケやりたいな』と思えば続ければいい。最終的にバスケの選手になる人もいれば、違う道に進む人もいると思うけど、『あの時、バスケをやってよかったな』って少しでも思ってもらえたら嬉しいです。今回の練習が、君たちが人生を歩む上で、何かのきっかけになれば」とメッセージを残し、クリニックを締めくくった。
2泊3日に及ぶ八丈島でのプロジェクトを通じて、たくさんの子供たちにバスケットの楽しさを伝え、現地の魅力を知ることができた渡邉さん。
クリニックについては「珍しいメニューに対して『こんな練習があるんだ』っていう驚きの反応がけっこうあって。そういう意味では、新しい体験をさせてあげることができたのはよかった」と感想を述べつつ、「バスケットはもちろん、今回お世話になった島の人たちの温かさ、文化の素晴らしさも一緒に伝えていきたい」とコメントした。
今後はプロジェクトを継続・発展させ、将来的にはバスケット選手の“セカンドキャリアの選択肢の一つ”にしていきたいと話す。
それが現実となれば、国内におけるバスケ普及と発展、競技レベルの向上につながっていくだろう。
「バスケを通じて、スポーツの魅力を知ってほしい」
その想いを胸に、渡邉さんは日本中を駆け回り、これからもバスケの楽しさを伝え続けていく。
句子/攝影/佐藤翔昇
◆NATUREMADE.EXE
◆エニタイムフィットネス
◆八丈島観光協会