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後悔しないアスリート人生とは!!

コロナ禍による大会の中止や延期、無観客開催など、競技環境が様々な制限を受ける中、今後の競技生活のあり方や引退後のライフプランについて考えるアスリートが増えている。一方で、現役生活中は競技のみに集中する方も多く、セカンドキャリア等に関する十分な情報が得られないことで、今後のキャリアに不安を抱える人も少なくない。少しでもアスリートに考える機会や情報を提供すべく、パソナグループがトークイベント『後悔しないアスリート人生とは ~これからのアスリートキャリアをデザインする~』を開催。その模様をレポートする。

圖標16466945 810048175800857 1247399717 n小池菊池 | 2022/08/09
パソナグループがトークイベント『後悔しないアスリート人生とは~これからのアスリートキャリアをデザインする~』を8月3日(水)に開催。そのイベントレポートを掲載する。

スポーツジャーナリストの田中大貴氏がMCを務め、第一部では、兵庫アスリートナビゲーターとして、パソナグループと共にスポーツを通じた地域貢献活動等に取り組むプロサッカープレイヤー香川真司選手による今セミナー限定の特別ビデオメッセージを放送。

第二部では、水戸ホーリーホックで所属選手へのキャリア形成に関する研修を実施する、ゼネラルマネジャー西村卓朗氏による特別講演を実施。

第三部のパネルディスカッションでは、15人制女子ラグビー日本代表であり、パソナ・名駅で働くパソナグループアスリート社員 玉井希絵氏、元女子ビーチバレーボール日本代表であり、現在は日本体育大学特別研究員、日本バレーボール協会強化スタッフ等を務めるパソナグループ所属アスリートコーチ草野歩氏、元ボリビアプロサッカー選手であり、現在パソナにてスポーツ事業の推進を担う菊池康平氏、水戸ホーリーホック ゼネラルマネジャーの西村卓朗氏が登壇。

4つのトークテーマに合わせ、各々の考えや実体験を話した。当日は、オンラインと現地参加を合わせ、現役アスリートやスポーツチーム運営者など約140名が視聴した。

まずはサッカーのベルギー・プロ・リーグ1部「シント=トロイデンVV」に所属する香川真司さんからのビデオメッセージをお届け。 

香川選手は今年6月、オフシーズン時に兵庫県で子どもたちや学生、若手アスリートとの交流などを通じてスポーツ振興に取り組む「兵庫アスリートナビゲーター」に就任。

パソナグループと共に、サッカー等のスポーツを通じた地域貢献活動に取り組んでいる。 
 

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香川 僕は、パソナグループのスポーツ選手への考え方、サポート体制の姿勢を聞き、何か力になれることはないかと思い『兵庫アスリートナビゲーター』に就任しました。

僕自身、兵庫県は地元でもありますし、淡路島は身近なのでパソナと共に活動ができればと思っています。自分の経験を伝えることや、子供たちにスポーツの楽しさを伝えること、アスリートだからできることを考えていきたいと思います。

今はネットや環境の変化でどこでも知識を身に着けることができますし、アスリートも限られた時間の中で何をするか、どう動くかが大事だと思っています。是非、皆さんもアスリートとしてキャリアアップを図っていってもらえればと思っています。最後になりましたが、僕も皆さんと共に成長していきたいと思っています。
 
 
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第二部では、水戸ホーリーホック ゼネラルマネジャー 西村卓朗氏による基調講演が行われた。 
               

西村 選手として11年間、計6チームでプレーしました。現在は水戸ホーリーホックで7年目を迎え、ゼネラルマネジャーを務めています。2014年~2020年の8年間、Jリーグの新人研修の講師を務め、約1000人のJリーガーと関わっていました。


2016年、Jリーグクラブ強化担当者に大規模なアンケートを行いました。『Q.長く活躍する選手に必要な能力とは?』という質問には、技術力、身体能力、人間力の中で、『人間力』と答えた方が半数近くいるという結果になりました。

人間力とは何かを深掘りしていくと、『傾聴力』と『主張力』の2つの回答が多い結果が出ました。

サッカー選手が持っている力を分解していくと、テクニカルスキル(専門性)が一番上にあり、その土台には、ポータブルスキル(社会人基礎力)、スタンス(価値観・使命感)の2つがあると考えています。水戸ホーリーホックでは、ポータブルスキルとスタンスの2つを大切にしています。


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西村 時代の流れの中で様々な価値観が出てきています。水戸ホーリーホックのトップチームには、現在18歳から44歳までの選手がいますが、その中でマネジメントの方法も変わってきていると感じています。

教育改革実践家である藤原和博さんが開発した『よのなか科』というキャリア開発を目的にしているフレームワークを応用し、Jリーグでは、『Jリーグ版よのなか科』を中学生に向けた教育プログラムとして開発しています。


水戸ホーリーホックが取り組んでいる「Make Value Project」について話を進めた。 
 

西村 アスリートにおける課題としては

『競技者という狭いコミュニティにおいて人間関係が限定的になってしまい、偏った価値観やスタンスの形成に繋がってしまう』

『競い合う環境(相対的に比較される)にいることで絶対的な自分が確立しづらい』

『競技を行う目的が、好きだから、うまくなりたいから、というだけになってしまう』

というものがあります。そんななか、水戸ホーリーホックでは主に3つの取り組みを行っています。 

①1on1面談を実施し、「『なぜサッカーをするのか』を言語化していく。 

②集合研修を実施し、多くの人と学び合える環境を作り、多様性を培っていく。 

③一人称で解決しない、社会や他者に貢献したいという目的を見つけていく。」  

 
私は、引退の準備はしているほうだったと思います。それでも現役を辞める時は不安と迷いがありました。大切なことは、『Being』。自分は何のためにサッカーをしているのか、自分の在り方を追求し続ける。

そして、『Doing』。行動をし続ける。行動し続けることで、自分が本当にやりたいことがより明確になっていきます。自分を振り返ると Doingは行っていましたが、Beingが少し足りなかったのでは、と思うことがあります。今、私は自分自身の原体験も踏まえて選手教育の機会を作っています。

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第三部では、西村氏に加え、15人制女子ラグビー日本代表でありパソナ・名駅で働くパソナグループ アスリート社員 玉井希絵、元女子ビーチバレーボール日本代表であり、日本体育大学特別研究員、日本バレーボール協会強化スタッフ等を務めるパソナグループ所属アスリートコーチ 草野歩、元ボリビアプロサッカー選手であり、パソナにてスポーツ事業の推進を担う菊池康平が登壇。

4つのテーマに沿って、パネルディスカッションを開催。


自己紹介 
 

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玉井  パソナグループアスリート社員の玉井希絵と申します。パソナ・名駅で働きながら、15人制女子ラグビー日本代表、また、三重県の女子ラグビーチーム『三重パールズ』で活動しています。大学生でラグビーをはじめましたが、学校に女子ラグビー部はなく、125名の男子部員と一緒に女子選手1人という環境で練習をしていました。

大学卒業後、中学校教諭になりましたが、練習との両立が難しく、2年後スポンサー企業へ転職。ところがある日、上司に仕事の指示を仰ぐと、外の落ち葉を拾ってくるように言われ、今後のキャリアに不安を抱えるようになりました。

そこで、ハイブリッドキャリアを実践できるパソナに転職しました。女子ラグビーの世界は、ほとんどが“セミプロ”として競技と仕事を両立しています。ラグビーだけに集中することが大切だと考える選手も多く、セカンドキャリアについて学ぶ機会も少ない環境のため、皆様と一緒に勉強ができたらと思っています。


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草野
  私は、東京五輪まで現役のビーチバレーボール選手として活動していました。大学卒業後、ビーチバレーボール選手として活動していましたが、競技生活に伸び悩み、大学院に進学することを決意しました。そこでコーチングを勉強し、アスリートのキャリアについて研究をしました。

現在は、女性エリートコーチ育成プログラムという、スポーツ庁の委託事業のスタッフとして活動しています。また、ビーチバレーボール日本代表ジュニアのヘッドコーチも務めています。また、パソナグループ所属のアスリートコーチとして、兵庫県淡路島の小学生たちにインドアのバレーボールを教えており、初の全国大会出場を目指して活動しています。


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菊池
 
私は、会社員からプロサッカー選手になりました。通常、サッカー選手が海外移籍をするときは仲介人がチーム探しや年俸交渉をしてくれます。しかし実績がなかった私は、自分でチームを探して交渉しなければいけませんでした。学生時代は5か国に行きましたがプロ契約は取れず、サッカーには区切りをつけてパソナに入社。

入社後はチャレンジする気持ちを錆びさせないように、夏休みや年末の休みを利用して海外に行っていましたが、そんなことをしていると腰を据えてチャレンジしたくなり、会社(パソナ)にお願いをして1年間の休職を取得し、再び海外に渡りました。そして、13か国目のボリビアでプロ契約を結ぶことができました。

1年後に復職しましたが、ボリビアで試合に出られなかったことに悔いが残り、もう1度海外にチャレンジしたいと考え、32歳の時に今度は円満に退職をしてアジアの国に向かいました。プロ契約には至りませんでしたが、その頃に海外でいろいろな選手に会うことができました。

選手が『日本に帰ったら何ができるのだろう』と悩んでいる姿を見て、何かできないか考えていました。そんな中、パソナからまた声をかけていただき、2015年からアスリートのキャリア支援を行っています。 
                 

現役中に「やっておけば良かったこと」は? 

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西村 起業です。今の時代だったら、していたような気がします。今は本田選手や長友選手が際立っていますが、私世代は現役に集中するということがしっくりきており、その挑戦はできませんでした。


菊池 語学の勉強です。ボリビアではスペイン語が公用語でしたが、全く分かりませんでした。サッカーの練習は1日2~3時間ありましたが、残りの時間はパソコンで日本の情報を得るためにつかってしまうことが多かったです。

今振り返ると、1日5~6時間をスペイン語の勉強に時間を使っていたら、試合中もチームメイトのことをもっと理解することができたと思います。また、後々の自分の強みにもつながり、キャリアの幅も広がっていたのではと思います。現在は当時よりもオンラインサービスが普及しているので、より時間が有効に使える時代だと思います。


草野 私は反対に、やっておいて良かったことをお話しします。それは大学院に行ったことです。私はバレーボールを小学生のころからずっとやっていましたが、30歳で大学院に行き、いろいろな分野の先生から話を聞き、様々な競技の人の話をきくことができ、世界が広がりました。

ものすごく衝撃を受けました。それ以前は、競技に集中することが、周りとのコミュニケーションを遮断するところに行きついている部分があったのではと思います。


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田中 
草野さん、大学院に通おうと思ったきっかけは何ですか?


草野  リオ五輪に出場できなかったことがきっかけでした。人生の全てを捧げたと思ったので、これ以上普通に頑張っても難しいのかなと思いました。そこで、周りの方から進めてもらい、大学院に通うことにしました。

すると、競技パフォーマンスはすごく上がったのです。パートナーとのコミュニケーション、他者を受け入れる力、自分のことを知ってもらうスキルに繋がったと思います。


玉井 今は現役中のため、私もやって良かったことの話なのですが、ハイブリッドキャリアを実践していることですね。キャリアに不安を感じているということを人に相談するには勇気がいりましたが、そのような弱みをさらけだして前に一歩踏み出せたことが、とても大きかったです。

ハイブリッドキャリアをはじめた当初は、『大丈夫なのか?』『パフォーマンスが落ちるのでは?』という声も聞こえましたが、今は、『良かったね』と言われることが多いです。

女子ラグビーでは、このようなハイブリッドキャリアを実践している人は少数派かなと思います。私は今30歳で、女子ラグビー選手の中でも上の世代ですが、私たちの活動が次世代につながっていったらと思っています。


競技生活の経験で、今の仕事に役立っていることは? 

玉井  人を思う気持ち、仲間を思う気持ち、です。試合中、『タックルしよう』ではなく『この仲間を助けよう』と考えることで、早く動くことができます。

仕事の場面でもクライアントのために何ができるか、周りのために何ができるかを考えて行動しています。また、競技で課題を感じたとき、解決策を導き出すサイクルも、仕事に活かせていると思います。


草野  チームワークをとる、コミュニケーションをとる、ということです。ビーチバレーボールはコミュニケーションをとり、パートナーを理解することがとても大切です。考え方が違っていても、一緒に取り組まなくてはいけません。

現役生活の経験から、異なる考えを持つ人とも一緒に何かに取り組むことができるようになったと思います。コミュニケーションを取るということは、『傾聴すること』が大切だと思っています。現役中は、自分のやりたいことが前に出てしまい、うまくいかないこともありました。


菊池 営業力です。学生時代(2002年)に海外に行った当時はSNSもなく情報収集ができなかったので、現地のサッカー協会に行き、事情を話してチームリストをもらいました。そして、公衆電話でチームに1件ずつ電話し『練習に参加させてほしい』とお願いをします。

これは社会人になった時、新規開拓営業の仕事に活きました。自分自身を海外で売り込んでいたので、サービスを提案するということに抵抗を感じなかったです。初日の練習で頑張っている姿を見せて、また明日も見たいと監督に思ってもらえるようコミュニケーションをとり、信頼に繋げる努力をすることもサッカーと新規営業は同じでした。


西村 考え抜く力が役立ちました。怪我をしたことがきっかけです。どうしたら怪我をしなくて済むか、怪我を早く治すにはどうしたらいいか、どのような体調管理が大切か等を考えて行動に移す。課題を発見し、アクションをする。このことは今でも役立っていると思います。

アスリート人生における一番の「学び」は? 

玉井 目的を明確にするとぶれることはない、ということです。なぜ自分がこれをしているのかという芯を持つことを意識しています。

私は、教員をしていたこともあり、『子供たちに夢を叶える姿を見てほしい』という思いがあります。辛い時などはこの目標に立ち返るようにしています。

草野  失敗から立ち直るときの強さです。私はミスをすることが多いのですが、立ち直るためにはどういう力が必要なのかを学びました。

直近ですと、東京五輪を控える中でペアを解決して、1年弱という短期間で新たなペアを結成して挑戦しなくてはいけないという状況になりました。

最初、予選を迎える前に引退しようかとも思いましたが、『とにかくできることから一歩前に踏み出してみよう!』と思いました。挫折や失敗を受け入れることは大変ですが、それを受け入れられるようにもなりました。立ち直れたという経験が、自信につながっていきます。
 

菊池 諦めなかったら良いことがあるということ。続けることの大切さです。13か国目でプロ契約を取ったというお話をしましたが、12か国目でやめていたら、0勝12敗でした。13か国続けたからこそ、1勝することができました。

西村  仲間の存在です。競技やっているとうまくいかないこともあります。そんな時に、支えになったのが仲間の存在でした。仲間を持っているアスリートは強いです。自分のためだけではなく、心の底から共に喜び高め合う仲間、そして応援してくれる仲間の存在も大きいです。

どのような”想い”をもって、競技生活を送っていた? 

玉井 子どもたちなど次世代が育っていくことに繋がる行動をしたいと思っています。この想いはどんどん強くなっています。 
 

草野 大学院に行ってからは競技が全てという考えではなく、『競技は人生の一部』という思いをもって生活していました。


菊池  できる理由を探してチャレンジしていくことです。海外で新しいチームに飛び込んでいったとき、練習試合に出場する時間が3分間しか与えられないこともありました。最初は、『3分では何もできない』と思っていました。すると、結果にもつながらなかったのです。そこで考え方を変えてみました。

飛び込みで、チャレンジをしていたので、もともとは0分じゃないですか。3分の時間をもらうことができた!と考えました。そしてこの3分間をアグレッシブに活動したら、試合中もボールがもらえるようになりました。マイナスな思いを持ち、できない理由を考えるのではなく、できる理由を探してチャレンジしていくことが大切だという想いをもって取り組んできました。


西村  11年間の競技生活、1年間浪人生活もあった中、自分が成功することで『希望の証明』ができるのではと思っていました。努力すればたどり着ける。そうしたことを体現したいと思っていました。

もう一つは、周りの方々への感謝です。自分のプレーで感謝・想いを伝えたいと思っていました。当初は、自分を見せたい!認めてもらいたい!というという思いが強すぎることもありました。

最初に所属したチームで1試合も出場することができず、2チーム目に行ったとき、自分がどうありたいかということを考え直すようになったのです。そのなかで自分のプレーで感謝・想いを伝えたいと思いを持ち、道が開けるようになりました。
 


素材提供:株式会社パソナグループ

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