日本サッカー界の新星“チェイス・アンリ”ードイツでの生活や苦悩、彼を支える意外な人物とは

将来の日本サッカー界を担うと期待される新星“チェイス・アンリ”の魅力

高校卒業後、18歳という若さでシュトゥットガルトと契約を果たし、単身ヨーロッパで活躍するチェイス・アンリ選手。

サッカーを始めたのは中学1年生の頃。類まれなるフィジカルとセンスで頭角を表し、強豪・尚志高校に入学後は同校でのプレーに加え、年代別日本代表での活躍もあり多くの注目を集める選手へと成長していった。元プロサッカー選手の槙野智章さんは「若く、速く、俊敏性があり強く、空中戦にも長けたすべてを持った選手」とアンリ選手を高く評した。

激しいプレーで知られるブンデスリーガにおいて、チェイス・アンリ選手の特徴である1対1の強さは際立っている。2023年のシーズン無敗王者のレヴァークーゼンとの一戦では、空中戦勝率100％をマークするなど、並みいる強者の中でも輝くプレーを見せた。

ドイツで得たのは苦悩だけではない。チェイス・アンリを支える「ドイツのパパ」の存在

凄まじいスピードで進化を遂げているチェイス・アンリ選手は、明るい性格もあり一見すると悩みはないようにも見える。しかし、ドイツでのプレーや生活には多くの不安を抱えていたようだ。

「1年目は焦っていて、『早く結果をださないと』という思いでいっぱいでした。最初の1年は本当に苦しかったですね」と当時を振り返った。

出典/UEFA via Getty Images

そんな彼を支えたのは、チェイス・アンリ選手が「ドイツのパパ」と慕う歯科医・宮川順充さんだった。週に3回は宮川さんの自宅で食事をするなど、ドイツでの生活をバックアップしてくれているという。

「シュトゥットガルトに入って２～３週間くらいで歯を折ってしまって、すぐにここに来ました。それからさまざまな面でサポートをしてもらっています。宮川さんがいなかったら、本当にしんどかったと思います。もう日本に帰っていたかもしれません」と語るほど、宮川さんへの信頼は厚い。

宮川さんは、サッカー選手用マウスピース制作の第一人者でもあり、これまで遠藤航選手や伊藤洋輝選手をはじめとする日本人選手のマウスピースを制作してきた。もちろん、チェイス・アンリ選手も宮川さんに専用のマウスピースを制作してもらっている。

歯科医と患者という枠を超えて、私生活までサポートする理由について、宮川さんはこう語った。

「言葉も文化も習慣も違う中で、最高のパフォーマンスを求められるわけですが、それは難しいですよね。応援したいという気持から、大変な時でもおいしいものを食べてのんびりできる場所を提供しています。そして僕も、彼からエネルギーをもらっているんです」

「夢を追いかけろ」チェイス・アンリが掴み取りたい未来は

出典/Getty Images

高校卒業後、すぐに海外でプレーすることを選択したチェイス・アンリ選手。1年目はセカンドリーグからのスタートとなり焦りやプレッシャー、怪我の中でもがきながらも、周囲のサポートもあり2024年8月にトップチームデビューを果たした。今やチームに欠かせない存在となっている。

街を歩けば地元のファンに写真を求められ、応援の言葉をかけられる程、現地での認知度も高い。

すでに成功を手にしているようにも見える彼は、夢について聞かれると「チャンピオンズリーグでの優勝。それと世界最高のセンターバックの1人になれるように頑張りたいですね」と熱いまなざしで語った。

チェイス・アンリ選手の名前、チェイスには「Chase a Dream（夢を追いかけろ）」という意味が込められている。日本人の母とアメリカ人の父の間に生まれ、恵まれた体格と抜群のセンス、そして何より努力の積み重ねによってドイツでも着実に地位を獲得している彼の背中を見ていると、その夢もそう遠くないうちに叶えるのではと思えた。

『ABEMAスポーツタイム』

タイトル：＃62
配信日：2024年11月17日（日）22:00～　毎週日曜日配信
內容： スポーツ界をにぎわせている話題かた最新情報まで、番組ならでは視点で取り上げる”スポーツ”が一層面白くなる番組。

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