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男子初の快挙!安楽宙斗選手が銀メダル スポーツクライミング~プレイバックパリ五輪2024~

パリオリンピックのスポーツクライミングでは、男子ボルダー&リードで安楽宙斗選手が銀メダルを獲得。東京大会から採用されたスポーツクライミングで、日本男子がメダルを獲得したのは初めてのこととなった。※メイン画像出典/Getty Images

圖標kinggear圖標KING GEAR編集部 | 2024/12/23

パリ五輪“スポーツクライミング”をおさらい

スポーツクライミングは、ルートセッターがポリウレタン製のホールドを壁に配置し、選手がそのホールドを使って課題(コース)を登り切る競技である。東京オリンピックでは、スピード、ボルダー(当時はボルダリング)、リードの3種目が組み合わされており、それぞれの種目の順位を掛け算して総合順位を決定していた。パリオリンピックでは、男女別にボルダー&リードの複合競技とスピード競技が行われた。

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出典 / Getty Images

ボルダー&リードでは、ボルダーとリードの順に競技が行われ、各競技で得られたポイントを合計して順位を決定する。各種目では最大100ポイントを獲得でき、総合満点は200ポイント。大会は準決勝から始まり、上位8名が決勝に進出できる。準決勝で得たポイントは決勝に持ち越されない。

ボルダー競技では、4~5mの壁に設置された4つの課題を登る。各課題には「ゾーン」と呼ばれる2つのホールドがあり、1つ目のゾーンに到達すると5ポイント、2つ目のゾーンでさらに5ポイントが獲得できる。最終的にトップホールドを両手でコントロールできると「完登」となり、25ポイントが与えられる。4つの課題をすべて完登すれば100ポイントに達する。準決勝は5分間、決勝は4分間の制限時間内で何度でもアタックできますが、完登した課題に関しては1回の失敗で0.1ポイントの減点がある。

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出典 / Getty Images

リード競技は高さ12メートル以上の壁に設定された1つの課題を登り、ロープを使って最上部を目指す。登るごとにポイントが加算され、進行するにつれて得点が増加。ポイントはスタート地点からではなく、ゴール(トップホールド)から逆算して40手までが対象となる。1~10手目は各1ポイント、11~20手目は1ポイントずつ増加、21~30手目は2ポイントずつ、31~40手目は各4ポイントとなる。最後の支点にロープをクリップしてトップに到達すると、100ポイントが与えられ、リードは1回のみのトライで、途中で落下すると終了となる。準決勝と決勝では、6分間のオブザベーションタイムが設けられている。

プレイバックパリ五輪2024ホットな瞬間

スピード種目女子にポーランド代表として出場した、アレクサンドラ・ミロスラフ選手が、予選で6秒6の世界記録を達成。現地では大きく盛り上がる結果となった一方、スピード種目男子に出場したアメリカの18歳、サム・ワトソン選手も、予選で自身が持つ世界記録の4秒79を超える4秒75を叩き出す。2日連続のワールドレコード誕生となり、さらなる盛り上がりを見せた瞬間だった。さらにワトソン選手は、3位決定戦で予選の記録を0.01秒上回る4秒74を記録。最終結果は銅メダルに終わったものの、2度にわたる世界記録更新を達成し、観客たちを驚かせていた。

プレイバックパリ五輪2024【日本選手メダル獲得の瞬間】

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出典 / Getty Images

準決勝1位で9日の決勝に進み、前半のボルダーラウンドでは2つの課題を完登して69.3ポイントを出しトップに立った安楽選手。勝負の後半のリードラウンドでは、先に登った選手たちが次々と完登に近い90ポイント以上を出すなか、最後に登場した。長い腕のリーチを活かしながら徐々に高度を上げていったが、終盤で粘り切ることができずに落下。76.1ポイントで競技を終え、他選手との差を大きく開いてしまう結果となった。ボルダーとリードの合計得点は154.5点で155.2点を獲得したトップのトビー・ロバーツ選手には惜しくも届かず悔しい結果に。しかし、初めてのオリンピックで銀メダルを獲得という堂々たる結果を手にして大会を後にした。

パリ五輪2024キングギア編集部が注目した選手

東京大会の複合女子で金メダルを獲得したスロベニアのヤンヤ・ガンブレット選手は、“世界最強クライマー”の呼び声が高い注目選手だ。2023年の世界選手権でも2冠に輝くなど、女子のクライミング界で圧倒的な強さを誇っている。オリンピック連覇を狙ったパリ大会では、準決勝をトップで通過。決勝でも3つの課題を完登してトップに立った。途中、ボルダリング競技で指を痛めるアクシデントに見舞われたものの、冷静な登りを見せて後半のリード種目でも全体の3位につける高得点をマーク。合計得点168.5点は、2位のブルック ラバトゥ選手に12.5点差をつける圧巻のパフォーマンスで、2大会連続となる金メダルを手にした。


【スポーツクライミング】パリ五輪の戦績

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出典 / Getty Images

★男子ボルダー&リード 安楽宙斗

・準決勝:ボルダー69.0(1位)、リード76.1(5位)/合計137.0(1位)

・決勝:ボルダー69.3(1位)、リード68.0(4位)/合計145.4(2位)

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【解説】日本男子初の快挙!“スポーツクライミング男子複合”銀メダル 安楽宙斗

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