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悔しさを胸に新体制で臨む!投手力で圧倒的な存在に。福岡ソフトバンクホークスの次なる目標は完全制覇か

福岡ソフトバンクホークスは2005年に名称を変更以降、7度に渡りリーグを制した常勝球団だ。今回は過去の球団の投手データを元にしながら、福岡ソフトバンクホークスの投手起用の変化から分業化の歴史を振り返ってみたい。※イラスト/vaguely

圖標kinggear圖標KING GEAR編集部 | 2025/03/06

2005年、好調投手陣が牽引もプレーオフ敗退でリーグ制覇逃す

王貞治監督が率いて11年目、福岡ソフトバンクホークスと名称を変更して初のシーズンは、レギュラーシーズンで89勝を積み上げて1位でフィニッシュ。しかし、前年からはじまったプレーオフでは千葉ロッテマリーンズを相手に2勝3敗と負け越し、パリーグ優勝を逃すこととなった。

好調だったペナントレースは、杉内俊哉の18勝を皮切りに、斉藤和巳、和田毅、新垣渚と2桁勝利を挙げた投手が4人おり、ローテーションには錚々たる名前が並ぶ。リリーフ陣にはやや不安定さを感じさせるも、三瀬幸司の不調によりシーズン途中から抑えに回った馬原孝浩が22セーブを記録。左右のダブルストッパーや吉武真太郎らの32ホールドなどでリリーフ陣も一定の安定感を見せた。リーグ優勝はほぼ確実と思われたものの、プレーオフでは勢いに乗るロッテに逆転され、最終的に日本シリーズ進出は逃した。なお、実力派揃いの先発陣は完投数でも注目を集めた。杉内は8完投(うち2完封)、和田が4完投、斉藤も4完投を記録。新垣は3完投、星野順治は2完投、馬原孝浩が1完投を挙げた。リリーフよりもスターターに注目が集まるシーズンとなった。

2015年、バランスの取れた投手陣で圧倒的な強さを発揮

前年にチームを3年ぶり6度目の日本一に導いた秋山幸二監督の勇退を受け、2015年シーズンから工藤公康監督が新たに指揮を執った。前年は先発投手の不足に悩まされたが、この年は武田翔太が13勝をマークし、摂津正とスタンリッジがそれぞれ10勝と9勝を挙げるなど、投手陣が安定。さらにシーズン途中からは奪三振能力の高さを持ち味とするバンデンハークが加入し、強力な先発陣が整った。最終回にはサファテが65試合に登板し、41セーブを挙げてチームの勝利を後押しし、シーズン90勝を達成。圧倒的な強さを見せつけた。

完投数では、中田賢一、大隣憲司がそれぞれ3完投を記録。摂津が2完投、武田とスタンリッジが1完投を記録している。投手陣は、先発投手3名(武田、摂津、スタンリッジ)が安定した成績を収め、さらに20ホールド以上を記録した中継ぎ投手と、40セーブのサファテによる安定感で、12球団でもバランスの良い成績を誇った。

新体制で挑んだ2024年、投手陣の好成績も日本一に届かず

2021年まで工藤公康監督が指揮を執り、3度のリーグ優勝を手にしたチームは、藤本博史氏が2シーズン率いた後、2024年から小久保裕紀監督にバトンが渡された。

MLB挑戦を経て日本球界に復帰した有原航平がリーグ最多の14勝、先発に転向したモイネロは11勝を挙げる活躍を見せ、最優秀防御率のタイトルを獲得。大関友久、大津亮介、スチュワート・ジュニアも不調に苦しんだ時期はあったものの、ローテーションを守って白星を積み重ね、チームは年間を通じて91勝を挙げた。この年になると分業制の色が濃くなり、完投数は有原が3完投(うち2完封)、モイネロが2完投に留まった。その代わりに、質の高いピッチングを見せるリリーフ陣の活躍が光り、守護神オスナが不在の時期は、松本裕樹が最終回のマウンドを任され14セーブの活躍。現役ドラフトで加入した長谷川威展、杉山一樹、尾形崇斗、津森宥紀、藤井皓哉らの実力のある救援陣も安定した投球を見せたが、日本シリーズでは勢いに乗る横浜DeNAベイスターズに敗れ、日本一を逃すことに。ソフトバンクはさらなる高みを目指して、2025年シーズンに挑むこととなる。

安定した戦力でリーグ連覇と日本一を狙う

2010年代以降は特に安定した戦いぶりを見せてきた福岡ソフトバンクホークスだが、先発投手の投球回数はさほど多いとはいえず、先発とリリーフの双方に質の高い投手陣が揃っているからこそ、幾多の快挙を成し遂げてきたことがうかがえる。とはいえ、2005年当時は杉内俊哉や斉藤和巳、和田毅といった強力先発陣がチームを引っ張ってきた。伝統的に投手分業制を推し進めてきたチームではないものの、現在では安定したブルペン陣がチームを支える一翼を担っているのは間違いない。チーム全体の完成度はリーグでも屈指であるため、この戦力を維持したまま、リーグ連覇と日本一の奪還に向けて突き進みたいところだ。