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イギリスの伝統×韓国トレンド――アンブロ新コレクション『AWAY DAYS』が描く未来

イギリス発のフットボールブランド「アンブロ」が、新たなコレクション『AWAY DAYS』をローンチ。フットボール文化をベースにしながら、日常使いを意識したライフスタイルウェアに進化を遂げた。イギリスのクラシックなデザインと韓国のストリートトレンドを掛け合わせ、新しい市場に挑む姿は、ブランド100周年という節目にふさわしいチャレンジでもある。その裏側や狙いについて、デサントジャパン株式会社 アンブロマーケティング課の島村隆宏さんに話を聞いた。 ※トップ画像撮影/松川李香(ヒゲ企画)

圖標Ippei Ippei | 2024/11/30

新コレクション『AWAY DAYS』とアンブロの進化するライフスタイル提案

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撮影/松川李香(ヒゲ企画)

今回の新コレクション「AWAY DAYS」についてお話します。このコレクションは今年新たにローンチされ、イギリスのフットボール文化から着想を得ています。アウェイの遠征時に着るウェアをコンセプトにしており、従来のサッカーウェアとは異なるライフスタイルに寄せたデザインが特徴です。

「THE THIRD(サード)」という既存のコレクションも引き続き展開していますが、今回は移動着としての要素を取り入れ、より日常使いしやすいアイテムを揃えています。具体的には、昔ながらのラインテープや襟付きシャツといった、イギリスの歴史やクラシックなデザインを感じさせるアイテムが含まれています。このコレクションは非常に好評で、多くのお客様に受け入れられた点が印象的です。

さらに「UMBRO KOREA COLLECTION」については、韓国でのファッションブランドとしての認知度を日本にも広げたいという思いで展開しています。韓国では若い世代が街中でアンブロを着用しており、そのトレンドを日本にも浸透させるべく、ポップアップイベントなどを行いました。韓国での反響を基に、日本市場でも同様の成功を目指しています。

イギリスの伝統と韓国のトレンドが融合した新たな挑戦

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撮影/松川李香(ヒゲ企画)

デザイナーの19歳のデザイナーYohSaekiのブランド「EGOR」とのコラボアイテムもあります。彼の情熱やアイデアをアンブロの世界観に取り入れる形で進めました。開発過程ではイギリス本社とのやり取りが多く、例えばロゴの形状やタグの使用法など、細かな点で修正が求められる場面もありました。それらの調整を経て、より完成度の高いコレクションを作り上げた背景があります。

“Kinetics”とのコラボが引き出すアンブロの新たな可能性

ポップアップの開催における一番の目的は、アンブロをより多くの人に知ってもらうことです。特に、イギリス発祥で長い歴史を持つブランドである点は、他のブランドにはない強みだと考えています。この独自性を活かして、コラボレーションや発信を通じてブランドの認知を広げていきたいという思いがあります。

また、ストリートカルチャーとの組み合わせにより、ファッションやカルチャーを楽しむ層にもブランドの魅力を伝えることで、新たな顧客層の開拓を目指しています。

ストリートカルチャーとサッカーの交差点で広がるアンブロの世界観

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撮影/松川李香(ヒゲ企画)

現在、ストリートカルチャーの中でサッカーの古着を日常的に取り入れる若者が増えており、そのブームがあることは確かだと感じています。こうした流れにおいて、長い歴史を持つアンブロはサッカーに深く根付いたブランドであるため、自然とその波に乗れるという強みがあります。この状況をポジティブに捉えながら、さまざまなアクションを展開していきたいと考えています。

ただし、このブームが永続するとは限らないため、盛り上がりを活かす一方で、アンブロのコアであるサッカーブランドとしての役割を忘れずに取り組んでいくことが重要だと考えています。グラスルーツ(草の根)活動のような、本質的な部分を大切にし続ける姿勢がブランドの軸として必要です。

アンブロが選ぶ『本当に意味のあるコラボレーション

コラボレーションの相手選びは非常に慎重に行っています。一つの基準として、我々にとってそのコラボレーションがどのような意味を持つかを最優先で考えています。単に話題性や一時的な流行だけを求めるのではなく、ブランドとしての価値や方向性に合致するかどうかを重視しています。

そのため、たとえ依頼があっても「我々の方向性とマッチしない」と判断した場合には、お断りすることもあります。最終的には、社内で議論を重ね、アンブロのブランドにとって意味のあるコラボレーションかどうかをしっかり見極めて決定しています。

100周年限定コレクション:イギリスの歴史を纏う特別な一着

今回の100周年限定コレクションでは、イギリスの歴史や文化を強く意識したデザインが特徴です。例えば、私が今着ているドリルトップは、ユニオンジャックの切り替えをモチーフにしたシンプルながらも象徴的なデザインがポイントです。また、特別感を演出するために、100周年記念の限定タグを取り入れるなど、他のシーズンモデルと差別化しています。

ゲームシャツに関しても、ユニオンジャックを象徴的に取り入れることで、100周年にふさわしいデザインに仕上げています。こうした特別な要素が、ブランドの歴史を感じさせるコレクションとしての価値を高めています。

イギリス発の厳選アイテムが語るアンブロの軌跡

ポップアップで展開しているヴィンテージユニフォームについても、100年の歴史を感じさせる特別なセレクションになっています。これらは、インデンショップ「BENE」の森田さんが厳選したもので、特にイギリスでの買い付けにこだわりを持って選ばれたアイテムです。

最近ではアジアで買い付けるケースも増えていますが、今回のヴィンテージユニフォームは本場イギリスで直接仕入れたものばかりで、ブランドのイメージと親和性の高いラインナップとなっています。この特別なセレクションは、100周年のテーマと深くリンクしており、ブランドの歴史と魅力をより多くの方に感じていただける展示になっています。

背番号の物語を刻むマーキング体験でサッカー文化を共有

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撮影/松川李香(ヒゲ企画)

今回のワークショップイベントでは、サッカーならではの文化である「背番号」や「エンブレム」のマーキング体験を通じて、サッカーを知らない子どもたちにも楽しんでもらえる内容を用意しました。この体験を通じて、サッカーの魅力や文化に触れてもらうことを目的としています。

さらに、アンブロカップで使用された素材をリメイクしてキーホルダーを作るなど、サッカーを起点にした新しい楽しみ方を提案しています。これにより、サッカーをプレーする人だけでなく、さまざまな人が楽しめる空間を提供しようというコンセプトで企画を進めています。

イノベーションで繋ぐサッカー文化とストリートカルチャー

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撮影/松川李香(ヒゲ企画)

ブランドとしては、引き続きキッズやジュニア世代にフォーカスしていきたいと考えています。子どもたちが幼い頃からアンブロに触れ、成長とともにブランドのファンとしてともに歩んでもらうことを目指しています。一方で、大人向けの発信も行いながら、ジュニア世代を中心にブランド全体を成長させていくビジョンを描いています。

現在の手応えとして新商品のプロジェクトや取り組みに対する反応は良好です。例えば、夏場の暑いグラウンドで足を守る「ガイナ」や、ストリートカルチャーを意識したアクションなど、イノベーションを取り入れた商品や企画が徐々に浸透してきています。

ストリートカルチャーと現場の子どもたちの両方に向けたアプローチを続けていることが、ブランドとしての手応えに繋がっていると感じています。これからも多方面での発信を強化していく予定です。