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W杯にかける夢!2024年“森保ジャパン”の軌跡―アジア最終予選で見せた強さと決意

2024年2月3日、アジアカップ準々決勝対イラン戦。ベスト4を前に大会から去ることになってしまったあの夜はまだ記憶に新しい。日本中が悔しさ、悲しさに包まれたあの日から約半年、2026年のワールドカップ出場に向け、アジア二次予選を突破した森保ジャパンが最終予選へと挑む。2024年9月アジア最終予選には、田中碧選手や鎌田大地選手、代表復帰の伊東純也選手、そしてワールドカップ4大会出場のベテランの長友佑都選手を筆頭としたメンバーが終結した。※トップ画像出典/Getty Images

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始まった負けられない戦い、ゆるぎない決意

9月5日、ワールドカップアジア最終予選グループC第1戦、対するは中国だ。

この初戦で森保監督が選択したのは、三笘選手と堂安選手をウィングバックに置く攻撃的な3バックである。前半12分、コーナーキックに合わせて遠藤選手がヘディングで先制点を獲得。前半終了直前の45分、堂安選手の右クロスを逆サイドから三笘選手がゴールに叩き込んだ。これで2-0、前半は日本が得点を上げゴールを守り切った。後半に入ると、52分、58分と2本続けて南野拓実選手がゴールを決め、中国の追随を許さない勢いを見せた。なおも攻撃の手を緩めない森保ジャパン。伊東選手を投入するやいなや満員のスタンドからは惜しみない拍手、そして場内に伊東コールが沸き起こった。交代直後、後半77分には畳みかけるように5点目を獲得した伊東選手。歓喜するチームメイトが駆け寄るなか、どこへともなく一礼を放ったように見えた。伊東選手はその時のことを「感謝の気持ちを伝えたかったので」と試合後に笑顔で振り返った。その後も伊東選手は、2つのアシストも記録し、7-0と大量得点を獲得しての圧勝だった。

9月11日、対バーレーンとの第2試合。初戦の余韻を残しつつ、アウェイでの一戦に挑む。前半37分、PKのチャンスを獲得すると上田綺世選手がしっかりとゴールを決め、先制点を決めた。後半47分には、右サイドの伊東選手が繋いだボールを上田選手がゴールに蹴り込み2-0。後半61分には上田選手との縦のワンツーから、さらに64分には左クロスからのボールに飛び込み、守田英正選手が連続してネットを揺らした。森保ジャパンは、4-0とさらに得点の差を広げる。追い打ちをかけるように後半81分には、キーパーに弾かれたセカンドボールを小川航基選手が頭で押し込み、5-0とさらに大きく引き離し試合終了。2試合連続で快勝を決めた。

“森保ジャパン”最難関に挑む!

10月11日には、グループ最大の好敵手サウジアラビアとの対戦。アウェイでは過去勝利を収めたことがない最難関のチームだ。大一番の戦いに円陣を組む選手たちの顔にも緊張が走る。

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出典/Getty Images

試合開始後、サウジアラビアからのプレッシャーに阻まれ、円滑な動きを出せないでいた選手たちも、徐々に自分たちのサッカーを思い出したようだ。ゆっくりと着実にボールを繋ぎ前半14分に、鎌田大地選手が待望の先取点を獲得した。試合の状況に応じて選手を使い分けられる選手層の厚さ。これが今の森保ジャパンの強みであると言える。コーナーキックのチャンスに、伊東選手が高く上げたボールに小川選手が頭で合わせ2-0。そのまま試合終了となり、アウェイでサウジアラビアへの初勝利を手に入れた。森保監督は試合後「皆の勝利!おめでとう!」と選手を労い、アウェイのスタンドで試合を盛り上げたサポーターにも大きな声で感謝を叫んだ。

10月15日続く第4戦、ホーム・埼玉スタジアム2002でのオーストラリアとの闘いだ。オーストラリアには、3-4-2-1のミラーゲームで挑まれることとなった。中盤戦ともなると、以前は驚かれていた3バックにも何らかの対策が練られる。ここからはそこを上回る戦いになりそうだ。

果敢にゴールを攻めるもなかなか得点に繋がらない。相手も同じく点を得ることができず0-0のまま前半が終了した。試合が動いたのは後半58分。オーストラリアがゴール前にクロスを放ち、クリアしようとするもつま先に弾かれたボールが味方ゴールに入ってしまい日本のオウンゴールとなった。日本の最終予選の初失点は苦いものとなってしまった。その後、投入された中村敬斗選手がドリブルでゴール前にクロスを送ると、今度はまさかのオーストラリアのオウンゴールを誘い1-1の同点に持ち込む。その後も得点は動かず、両チームオウンゴールによる得点のみという1-1のまま試合終了となった。

続くアウェイでの戦い…

11月シリーズでは、DFリーダー谷口選手、エースストライカー上田選手の両選手が怪我で出場できず。2本柱を欠いてアウェイ2連戦を迎えることとなった。

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出典/Getty Images

11月15日対インドネシア戦。インドネシアの洗礼スコールの中で試合は始まった。GK鈴木彩艶選手の名セーブなどが光る前半35分に、ゴール前のパスボールが相手DFに当たりオウンゴール、日本の先取点となった。その後も2点の得点を重ね3–0に。そして、3バックになって以降ポジションを失っていた菅原由勢選手が、後半69分シュートを決め4-0に。5戦目にして初出場の菅原選手、結果を残せたことに大きく拳を掲げて喜びを爆発させていた。4-0のまま試合は終了し、日本は勝利を収めた。

2024年最後の試合となる11月19日、相手チームの真っ赤なユニフォームでスタンドが埋め尽くされる中、日本は対中国戦を迎えた。前半は、コーナーキックからのゴールを重ね2-0に。後半開始、早々中国に1点を返されてしまう。しかし後半54分、伊東選手のクロスから小川選手がこの日2点目となる得点で、3-1とまた中国を引き離した。交代選手を惜しむことなく投入し、リードを守ったまま勝利を収めた。

ワールドカップへ…!これからの勝利を信じて

アジア最終予選、2024年現在5勝1分勝ち点16とリードしている日本代表。これから2025年新しい戦いの幕が開く。ワールドカップ優勝に向け、どのような進化を見せてくれるのだろうか。日本の快進撃を期待してやまない。

『2024 日本代表の軌跡』#2『躍進』より
配信日:2024年12月

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