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サッカー人生第一章の集大成、涙と笑いの引退試合!槙野智章、レジェンドたちと共に過ごした至高の時間

2022年12月24日、クリスマスイブの夜衝撃的なニュースが日本を駆け巡った。『槙野智章、引退』日本を代表するプロサッカー選手の突然の引退宣言に日本サッカー界は揺れに揺れた。早すぎる引退表明に驚かされたが、引退宣言から約2年経った2024年12月14日またも世間は槙野智章という男に驚かされることになった。今回はサッカー界お祭り男の一世一代の引退試合、ハイライトと共にお送りする。※トップ画像出典/photoAC

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お祭り男の人望、本気で遊ぶ男たち

引退から2年、お祭り男『槙野智章』のためにレジェンドが一堂に会した引退試合。そのメンバーを見ただけでも槙野の人望の厚さをうかがい知ることができる。

槙野が在籍したヴィッセル神戸以外のクラブや日本代表で共にプレーした選手を集めた『MAKINO JAPAN』のチーム監督には、本田圭佑が選手と兼任で担う。気になるチームメンバーには、香川真司、乾貴士、森重真人、大迫勇也、武藤嘉紀、酒井高徳、原口元気、西川周作、森脇良太、宇賀神友弥、那須大亮、柏木陽介、鈴木啓太、関根貴大、梅崎司、武藤雄樹、李忠成、興梠慎三、林彰洋そして槙野智章。対する、神戸在籍時に共にプレーした選手のみを集めた『KOBE STARS』のチーム監督は吉田孝行。メンバーは、飯倉大樹、飯野七聖、岩波拓也、扇原貴宏、大﨑玲央、大迫勇也、菊池流帆、郷家友太、小林祐希、酒井高徳、櫻内渚、佐々木大樹、中坂勇哉、初瀬亮、藤本憲明、前川黛也、武藤嘉紀、山川哲史、汰木康也、ルーカス・ポドルスキそして槙野智章だ。

前半は選手として試合に参加した本田。相手チームのボールをカットし、大迫に回し、そして香川へとつなぎシュート。惜しくも外れたが「本田→香川だって!」「すごい、鳥肌!」と、両者日本代表だった当時を知る実況席も感動に打ち震えた。試合中も、槙野は果敢にボールを取りに走る。2年前に引退したとは思えない動きの一挙一動にサポーターも実況も大きく沸く。

前半、香川から本田とボールが繋がり蹴り込んだシュートにKOBE選手の手が接触。これがハンド判定となり、PKのチャンスがMAKINO JAPANに与えられる。キッカーには槙野が選出されるも会場からはKOBEサポーターからの愛ある大ブーイング。すると、ボールを置いた槙野はゴールに背を向け、振り返りざまに真っすぐボールを右足で蹴り込み先制点を奪取した。遊び心溢れるPK戦に、歓喜の声がスタジアム中に響き渡った。

さらに槙野のすごさは止まらない。KOBE STARSがカウンターを仕掛けたシーン。KOBEが前線まで独走でボールを運びチャンスを作った、その一瞬のことだった。中央に寄せてきた小林にパスを出すも、槙野がスライディングでパスカット。さらにこぼれたボールはポドルスキの足元へ転がるが、槙野は振り返るや否や再度スライディングでボールをカットし攻撃を防いだ。瞬きしたら見逃してしまいそうな鳥肌モノの連続スライディングでゴールを守った。

愛妻のPK、そしてまさかの結末

後半30分、またもMAKINO JAPANにPKのチャンスが訪れた。選手交代が宣言されると場内が大きなどよめきに包まれる。なぜなら槙野の愛妻・高梨臨が、背番号10のユニフォーム姿でピッチに笑顔で降り立ったのだ。サプライズの演出に会場や実況席は混乱しつつも暖かな拍手が、最後の交代選手を迎えた。選手らとハイタッチをかわし、夫婦で揃いのチームのユニフォームで、引退試合の主役であるパートナーの隣に並んだ高梨。

もちろんPKのキッカーとしてゴール前に立ち、2点目の槙野と同じくゴールに背を向ける。オンリーワンな槙野と同じ蹴り方で、パートナーの有終の美に華を添えようと渾身のシュートを放つも、ここでまさかのGK前川がきっちりとセーブしてしまう。両チームからの大ブーイングののち、幸いにもキック前にゴールライン上から動いていたことが発覚。仕切り直しとなった。特例中の特例でゴール近くに新しいペナルティマークが作られ、無事高梨がゴールを決め、引退試合の3点目を獲得し試合終了…となるはずだったが、ここでまた予想だにしない結末が待っていた。

3点目を決めた高梨に集まり、コーナーで歓喜の声を上げるMAKINO JAPAN、槙野自身もコーナーフラッグをピッチから抜き取り飛び上がって愛妻のゴールを喜んでいた。が、その喜びをかき消すかのように村上主審のホイッスルが響く。主審はVAR判定を要求。会場のビジョンには村上主審が2021年の主審の最後の試合時に、槙野がユニフォームを脱いだことでイエローカードを貰ってしまった名場面が映し出された。確認が終わり、主審はマイクを握ると「3年前に僕は槙野さんにイエローカードを出しました。今回、過度な喜びということで1枚イエローカードを出しました。合計2枚で退場になります」と、前代未聞の3年越しの反則で退場勧告が出された結末に、会場は笑いに包まれた。

主役が試合終了前にレッドカードで退場するという未曽有の引退試合は、終始笑顔に包まれた何とも良い試合だった。チームに、仲間に、サポーターに、そしてサッカーに愛された男はこの先どんな景色を見せてくれるのだろうか。槙野のこれからの指導者としての活躍に、そしてまたお祭り男としての本領に期待せざるを得ない。

ABEMA『槙野智章 大感謝祭 ~1日限りのワッショイ劇場~』より

※記事内の情報は放送当時の内容を元に編集して配信しています